「ゼロからトースターを作ってみた」を読みました
The Toaster Project ゼロからトースターを作ってみた 一からではなくてゼロから作っちゃってる トースターを原材料から作り出そうというイギリスの学生の研究記録です。 金属部分をつくるために鉄鉱石を掘りに鉱山に行く 断熱材を作るためのマイカ?を手に入れるため閉鎖された鉱山に行く プラスチックのケースを作るために石油を手に入れる(そのために大手企業に連絡を取る) 電熱板を作るための銅を採取しに鉱山に行く という徹底ぶりがすごい。書き出してみたら鉱山に行ってばかりですね。 それだけ原料にこだわってるという事なのでしょう。この人は行動力がとてつもなくて、 閉鎖された鉱山に行って材料を手に入れようなんて想像するだけでもすごい手間ですし、 大手企業に電話してバケツ一杯の原油を分けてほしいって交渉なんて成功する気がしません。 でもやってみると思い通りには行かないものの、交渉した人の助けを借りて別の方法で何とか解決しています。 行動するって凄いですね。見習いたい。 どんな本かというと ものすごい期間とお金をかけてトースターを作ってみたけど、世に出回っている値段では割に合わない。 これだけ大変な事をしないと作れないトースターがこんなに安いのは隠されたコストがあるぞ。 環境に対する負担を考えたらこんなに安いはずはない。経済と環境問題は破綻寸前だと。 というのがこの本の主張(だと思う)。 そんな真面目なことが面白おかしく書かれています。全体的に楽しく読める本です。 このトースタープロジェクトは2008年の事のようですが、今(2020年)はプラスチックが原因の環境汚染が大きな社会問題になっています。 レジ袋を減らそうという個人レベルのことから、国レベルでのプラスチックリサイクルプロジェクトが立ち上がったりと大きく動いているみたいです。 この先もっと色々な環境問題が出てくるんでしょうね。 技術で人を楽に・楽しくしよう 個人的に一番気に入ったのはこの部分。 シリアーズ教授はきっと、トースターのおかげで、毎朝パンを焼くのに多くの時間をかけずに済んでおり、そこで節約できた時間は泡の研究にあてられているはずだ。 (略) そして、人々がトースターのおかげで節約できた時間は、他のことに費やされる。 テクノロジーのおかげで時間が節約できて、その節約した時間が他の事に使われ技術が発展していく。 当たり前の事なんだけど、仕事をする上ですごく大事だなぁと感じます。 自分も誰かの役に立つ事をして、ちょっとでも誰かが幸せになれば良いかなあ。 そういえば なんて感想文を書いていたら、「あんこを一から作りたい」なんて以前考えていたのを思い出しました。 あずき豆を育ててあんこを作ろう。と。 当たり前のように砂糖は市販品を使うつもりでいましたが、砂糖も自分で作ってみたら面白いかもしれませんね。 ちょっと調べてみたら甜菜から作る方法は何とかなりそうです。 今年はもう植え付けの時期が過ぎているから種の入手すら困難ですので、来年忘れずに試してみましょう。